あなたは覚えてますか?
カレと初めて会ったのは4年前。
カレは車通勤ではないのでわたしが会いに行くことになりました。
ただでさえ高速で1時間はかかる道のりなのに、その日ちょうど直撃した台風のせいで高速道路は通行止めに。
案の定、幹線道路は大渋滞。
おまけに初めて訪れる街に右往左往する始末で、約束の時間に大幅に遅れてしまいました。
電話で謝るわたしに、
「気をつけておいで。おれはビール飲みながらのんびり待ってるから大丈夫だよ。」
と言ってくれました。
待ち合わせ場所にいたスーツ姿のカレは、優しい笑顔の青年でした。
ほんとにステキだった。
初めてのキスはおでこ。
年の差に躊躇するわたしに、カレがそっとくれました。
初対面でひとを好きになるなんてありえないと思っていたのに、その瞬間にわたしはカレにおちてしまいました。
カレとの出会いは、私にとって衝撃でもあり、感動でもありました。
付き合って、そして別れて、そしてまた巡り合って。
こんな関係で、カレを好きでいることがツライと思ってしまうとき、ひとを好きになることがこんなに寂しいものなのかと思ってしまうとき、あの台風の日を思い出すと嬉しくて涙が出そうになります。
あの時のキスは今も忘れられない。
わたしの大切な大切なカレとの時間です。
今もわたしの頭の中には、カレの優しくて温かくてステキな笑顔が浮かんでいます。